事業継続とは

もし、巨大な地震が起きた時、企業や官公庁は、どこまでその製品やサービスを提供できるでしょうか?

製造業においては、自社の生産ラインが直接被災した場合だけでなく、調達先が被災した場合にも、部品・材料の入手が困難になると、自社の生産ラインがストップしてしまうかもしれません。

小売業においては、物流網の機能停止や商品調達先の被災によって、商品が大量に不足してしまうかもしれません。金融業においては、ATMが停止したり、資金決済が滞ったりして、大きな社会問題となるかもしれません。

また公共サービスにおいては、水道管が破損し、蛇口をひねっても水が出なくなるかもしれませんし、トイレの水洗が使えなくなるかもしれません。

大雨で雨漏りがしたとか、短時間の停電が起きたなどの事態には、日常のトラブル対処で十分でしょう。

しかしそれ以上の大規模な災害、大規模な事故、疫病の蔓延、テロ行為などの深刻な危機に見舞われ、その提供する「製品またはサービス」の供給が停止してしまった時には、いち早く「製品またはサービス」の供給が再開できるようにすることが必要になります。

「事業(ビジネス)」つまり「製品またはサービスの供給」を停止させずに「継続」し続ける、それが「事業継続(Business Continuity)」なのです。

 

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BCPとは

危機発生時に、速やかに事業を再開させるためには、事前に想定に基づく行動計画を立てておくと、混乱が少なく適切な行動を迅速に取ることができます。

このような計画のことを「事業継続計画(Business Continuity Plan)」略してBCPといいます。

 

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BCMとは

事前に大規模な災害などにより危機的状況に陥ったことを想定し、どのように行動するのかをBCPに決めておくだけで、いざという時にも、慌てずに適切な対処ができるでしょうか?

机上で作られただけのBCPでは、実際に動こうとしても、必要なモノがない、想定した手段・方法が機能しないなど、実際に危機が発生した時には、なかなかその通りに行かないでしょう。

そのような事態を防ぐためには、常日頃から、いざという時に必要となるモノや情報を管理しておき、決められた手段・方法が実際に機能するかどうかを実際に行うなどの確認をしておかなければなりません。

それによって、早期に「製品またはサービス」の供給を再開することが可能となるのです。このように作成したBCPを日常において、準備し訓練しておくことを「事業継続マネジメント(Business Continuity Management)」略してBCMといいます。

重要なのはBCPという書類を作ることよりも、危機発生時にBCPを機能させるための、平時におけるマネジメントすなわちBCMなのです。

 

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事業の継続と企業の存続

事業すなわち「製品またはサービスの供給」を継続することは、ひいては企業の存続につながってきます。ですので、事業継続を「企業の存続を妨げるあらゆるリスクに対応する活動」と考える人もいます。

しかし事業継続とは企業の存続そのものを直接の目的とする活動ではなく、製品またはサービスの継続を目的とする活動なのです。

 

● 事業継続:製品またはサービスの継続を目的とする活動

● 企業の存続:企業は存続し続けることが前提となっており、それは企業の社会的責任でもあります。会計上のゴーイング・コンサーンという概念も、企業会計は企業が存続し続けるという前提のもとで成り立っているということです。企業の存続を実現するための活動は、事業継続という限定された危機管理の活動というよりは、経営そのものが企業の存続を実現するための活動であるといえます。

 

企業経営には、様々な種類の危機があります。景気変動や市場の変化などによる収益悪化で経営難に陥るとか、敵対的企業買収の標的にされるとか、粉飾決算などの法規制の不順守などの企業倫理の問題が発生するとか、あらゆる分野の原因により、経営危機が起きることが考えられます。

しかし、これらの危機は、直接的に「製品またはサービスの供給」を阻害するものではなく、これらの問題により企業の存続が危うくなった結果として、「製品またはサービスの供給」の継続が難しくなる可能性があるということになります。

また、これらの危機に対処するためには、「リスク管理」により事前の「予防策」によって「危機の発生を防ぐ」ことが重要となります。

これに対し「事業継続」では、危機発生は「製品またはサービスの供給」を停止させる直接的な原因となります。

また、「事業継続」では「危機そのものの管理」による危機発生後の「事後対策」を中心とした活動が重要となります。

 

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